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歯並びの異常・不正咬合・顎関節症の関係

前述したように、顎関節は三次元的な動きをする複雑な関節です。デリケ−トにつくられているうえ、その後方には神経や血管の束が通っています。これらの神経や血管の束にさわらず、位置や機能の狂った顎関節を元通りに治すのは、至難のわざです。仮に手術をしてうまくいったようでも、別のところが手術の影響を受けてしまうことがあります。

 

そういう事例から見ても、顎関節症を治す手段のひとつとして原因除去療法になりえるのは、歯並びを矯正する治療が適しているのではないか、そう私は考えています。

 

実は、歯並びのア−チと顎関節の動きは相関しており、連動して動いています。顎関節に異常があれば顎の動きにそれが現れますし、かみ合わせに異常があれば顎関節にもその異常は伝わります。顎関節と歯の動きは相互に影響し合っており、歯並びは顎関節の状態を知るよい手がかりになるのです。

 

ですから顎関節のゆがみが軽度の場合、かみ合わせを整えることで顎関節への負担を軽くすることができます。負担が軽くなれば、人間が本来持っている自然治癒力で顎関節の機能も少しずつ回復してきます。

 

ただ、この治療で大事なのは、常に顎関節の状態に気を配ることです。歯並びやかみ合わせも、顎関節の機能を第一に考えて矯正する必要があります。

 

仮りに顎関節症の症状が出ていなくても、歯並び・かみ合わせの悪い人は必ずといっていいほど、顎関節に負担がかかっています。症状がまだ出ていないか、症状に気がついていないのかもしれません。こうしたことから、顎関節の機能を第一に考えた矯正治療が、いまのところ初期の顎関節症にはいちばん有効な治療だと私は考えています。

 

ところで、歯並びが悪いと上下の歯がうまくかみ合わなくなり、かみ合わせが悪くなってきます。これを不正咬合といいいますが、かみ合わせの異常とほぼ同義で使われます。 では、歯並びが悪いと、なぜかみ合わせも悪くなるのでしょうか。

 

私たちはふだん、地面の上にまっすぐに立って歩いたり走ったりしています。家を支える柱は地面に直角に立っていますし、ボ−ルを落とせば地面に垂直に落ちていきます。これは地球に重力があるからで、小学生でも知
っている常識です。

 

同じように歯にかかる力も、まっすぐ下にかかります。本来歯はまっすぐに生え、上下垂直の力がかかってよりよい状態にかみ合うものなのです。それが重心とバランスのとれたよいかみ合わせです。

 

ところが歯が斜めに生えてきたり、上下の歯がピッタリかみ合わないと力が垂直にかかりません。力が斜めにかかったり、中にはまったくかみ合わない歯や、一部だけ強くぶつかる歯が出てきます。これではさらに歯並びをゆがめ、かみ合わせを悪くします。

 

歯並びの異常や不正咬合があると、その負担は顎関節にかかります。テコの原理が崩れて顎関節に不自然な力がかかるようになり、炎症が起きてくるのです。また逆に顎関節症になると、その影響でかみ合わせがよけい悪くなることもあります。

 

このように歯並びの異常と不正咬合、顎関節症はそれぞれが非常に密接な関係にあり、連鎖的に起きる症状なのです。その中でも、表にいちばんはっきりと現れるのが歯並びの異常です。不正咬合や顎関節症は、症状が表に出にくいことがありますが、歯並びに異常があれば、その裏には必ず不正咬合や顎関節症が潜んでいると思って間違いないでしょう。 異常がひどくなってからでは手遅れです。子供のうちに治してほしいと思います。

 

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